SUMATRA PEGASING AVATARA GAYO ANAEROBIC NATURAL スマトラ・ペガシング・アヴァタラ・ガヨ・アナエロビック・ナチュラル

5月25日（木）から全国のブルーボトル カフェでご提供がスタートした「SUMATRA PEGASING AVATARA GAYO ANAEROBIC NATURAL(スマトラ・ペガシング・アヴァタラ・ガヨ・アナエロビック・ナチュラル)」は、もうお楽しみいただけましたでしょうか？ブルーボトルコーヒーでは、その時旬のおいしいコーヒーをご用意しており、ドリップコーヒーとして日替わりでご提供させていただいています。今回ご提供しているこのコーヒーは、新鮮なトロピカルフルーツを思わせる甘みや、ライチやスイカのような複雑な酸味、そしてフローラルなアロマが特徴の初夏にぴったりな一杯です。

通常、インドネシア産のコーヒーは、アーシーさ（土っぽさ）や香ばしさといった風味を持つことで知られています。これは、コーヒー豆をウォッシュド精製の一種である「ウェットハル」という方法で精製していることに関係しています。しかし、このコーヒー豆の生産者・ヘンドラのコーヒーは、アナエロビック ナチュラルという方法で精製されているため、こういった一般的なインドネシア産コーヒーとは違った味わいを持っています。今回のブログでは、そんなヘンドラが作るコーヒー豆や彼の取り組み、アナエロビック ナチュラルという精製方法についてご紹介いたします。

インドネシア・スマトラ島のコーヒー

コーヒーにはさまざまな精製方法があるのはご存じでしょうか。インドネシア、特にスマトラ島のコーヒーはウェットハルという方法で精製されることが多いです。そのプロセスは、まず収穫したコーヒーチェリーの果肉を取り除き、粘液部分が付いたまま半乾きの状態にします。その後、コーヒーの水分が35～50％と高い(コーヒーがまだ湿っていて水分が多い)状態でパーチメントと呼ばれる、コーヒー豆を包んでいる周りの皮を取り除いて脱穀をし、生豆の状態で再度乾燥させます。通常、パーチメントを取り除くのはコーヒーの水分が10〜12％の状態になった出荷の直前ですが、雨が多いスマトラ島では早く乾かすために乾燥の段階でパーチメントを取り除きます。このようにコーヒーの水分率が高い状態でパーチメントを取り除く“ウェットハル”の処理により、インドネシア産コーヒーの典型的風味である、アーシー(土っぽさ)でフルボディなコーヒーが生まれるのです。

ただし、ウェットハルで精製した多くのコーヒーは輸出前に何度も取引され、コーヒーが安定した水分量に達する前に輸送されるため、不良品が発生するリスクが高いのです。アーシーでフルボディの魅力的なコーヒーの生産地として知られる一方で、この地域の高品質なコーヒーを入手することは非常に難しいのです。

ヘンドラの取り組み

インドネシアのスペシャルティコーヒー業界のパイオニアとして知られているヘンドラ・マウリザールは、2006年にコーヒーを栽培するためにスマトラ北端のアチェに移住した父親のハムダン博士に触発され、2008年にアチェの山間部であるペガシングにわずか1ヘクタールの土地でアヴァタラ ガヨというコーヒー農園をスタートさせました。その後10ヘクタールにまで拡大させ、コーヒーを生産しています。

ハムダン博士(左)とヘンドラ・マウリザール氏(右)

そんなヘンドラが生産し、今回ブルーボトルコーヒーでご提供している「スマトラ・ペガシング・アヴァタラ・ガヨ・アナエロビック・ナチュラル」はアナエロビック ナチュラルという比較的新しい手法で精製されています。この手法は、コーヒーチェリーを乾燥させる前にタンクなどで遮断し、酸素に触れさせずに周りの果肉を発酵させてから乾燥させる方法です。 通常のナチュラルプロセスのコーヒーよりも、さらに複雑な味わいになります。ヘンドラはこの精製方法を採用しながら農家と密に連携し、革新的な加工技術を試し、また完熟したチェリーだけを仕入れて、通常のインドネシア産コーヒーとは一線を画すコーヒーを作り出しています。

AVATARA GAYO(アヴァタラ ガヨ）コーヒー農園

タンク内で発酵後、乾燥されるコーヒーチェリー

そのようにして作られた「スマトラ・ペガシング・アヴァタラ・ガヨ・アナエロビック・ナチュラル」は、新鮮なトロピカルフルーツを思わせる甘みや、ライチやスイカのような複雑で明るい酸味、そしてフローラルなアロマが特徴です。インドネシア産のコーヒーをよく知る方でも、その華やかで明るく、複雑でもあるフレーバーに驚かれることでしょう。今回、旬のコーヒーとしてみなさまにお届けできることを、私たちも非常に嬉しく思っています。

ぜひ、お近くのブルーボトル カフェでこの素晴らしいコーヒーをお楽しみください。コーヒーに合うセイボリーやペイストリーもご用意しているので、ぜひバリスタにおすすめのペアリングを聞いてみてくださいね。

お近くにカフェがない方は、公式オンラインストアにてコーヒー豆をご購入いただけます。インドネシアコーヒーの新しい風をぜひご自宅でもお楽しみください。

※HUMAN MADE Cafe by Blue Bottle CoffeeとHUMAN MADE 1928 Cafe by Blue Bottle Coffeeでの販売は行っておりません。