INTERVIEW with fresco

ブルーボトルコーヒー 梅田茶屋町カフェの、吹き抜け階段全体に広がるガラスのシャンデリアを制作いただいた、大阪和泉市のガラス工房freso(フレスコ)さん。
2005年からスタートされ今年で20周年を迎えたfrescoさん、一つ一つの工程を手作業で作られるガラスは、それぞれに個性があり、どこかあたたかくなるようなデザインのガラス作品を作られています。

今回はfrescoの辻野 剛さん、北澤 藍さんに、シャンデリア制作のことやfrescoさんの歴史など様々なお話を伺いしました。

Question(以下、Q):お二人は、普段コーヒーは飲まれますか?
Tujino san(以下、T):必ず、朝飲みますね。気に入って飲んでいるのは、これ以上深くならないくらいくらいの焙煎のコーヒー(ダークロースト)で、毎朝、自分で豆を挽いてハンドドリップで飲んでいます。まだブルーボトルコーヒーのコーヒーを飲んだことがないので、梅田茶屋町カフェがオープンしたら、ぜひ飲んでみたいです。

Kitazawa san(以下、K):毎日飲みます。 私も深煎りのコーヒーが好きなのですが、たまに違うものを飲むと新鮮な気持ちになるので、浅煎りのものも飲んでいます。初めてブルーボトルコーヒーを体験したのが、お土産でもらったコーヒー豆でした。普段飲み慣れている深煎りのコーヒーと違い、とても爽やかなコーヒーだったのでとても印象に残っています。

Q:frescoさんの名前の由来を教えてください。
T:吹きガラスの歴史は紀元前1世紀といわれているのですが、一番吹きガラスが発達したのがイタリアのとある村なんです。当時、吹きガラスは、すごく国益を産んだビジネスだったので、そこでお金に糸目をつけず素晴らしい作品を生み出していた方がいました。吹きガラスとしての技術が一定のレベルに達した、当時の環境や技術を今日で再現するのは難しいですが、その当初のイタリアの吹きガラスに敬意を込めて、イタリア語の名前を付けたいと考えていました。ここに来る人に新鮮な気持ちや新しい発見を体験して欲しいという思いを込めて、”新鮮”という言葉からイタリア語で”FRESCO”と名付けました。

Q:frescoらしさについて
T:いちばんの特徴は色だと思います。
ガラスの器は、透明で食卓に彩を与えるための役割をもっていたのですが、ガラスにもっと可能性があって年中使ってもらえるものにしたいないと考えていました。frescoのガラスは、ガラスらしい透明感を残しつついろんな色を楽しみながら調合し制作しています。ガラスの厚みや形によっても光の入り方が違うので、「ガラスって面白いね」と思ってもらえるものを提供したいなと思っています。また、全て手作りで作るということも大切にしています。ガラスを見て「なんか、あったかいですよね。」とよくお客様に言ってもらえることがあるのですが、それ以外にも手作りの良さがたくさんあって、これからも続けていきたいなと思っています。

K:frescoで制作しているガラスはパキッとした色ではなくて、少しぼやけたような霞んだような色味が多いのですが、日本食卓に並ぶ和食器、陶器などの素材のものとも合わせやすく、優しい色味が特徴的だと思います。また、個人作家さんの工房だったら、コンパクトに作業されてる方が多く、作られるものも一つ一つその時の作品として作れらることが多いのかなと思いますが、frescoはスタッフがいて、チームでデザインやみんなで考えたものを展開しています。自分がその時作れる技術がなくても他のスタッフ作ったものを商品にしたりしているのでそこがfrescoらしさかなと思います。

Q:今回制作いただいたシャンデリアについて教えてください。

K:最初に開発チームの皆さんとお話しした時は、カフェの二階に上がる階段の天井に何かを吊るしたいというお話でした。ブルーボトルコーヒーのコーヒーのような色を表現するために、何百色もあるガラス本から選んでいただき、テクスチャーの違う2種類のガラスを作ったのが始まりです。最終的に、色味の違うガラス玉3色を3列の輪っかにランダムに吊るし、自然光だけじゃなく、吊るすベースになっているところにも照明を仕込んでいただいて、ガラスに照明を当てつつ、外からの光も当たるガラスにとっては最高の状態で設置してもらえることになりました。早く完成したものが見てみたいです。

Q:限定MDについて教えてください。

K:梅田茶屋町カフェ限定で販売する商品を作りたいというオーダーから、京都カフェで使っているすずの素材を使った片口で飲むコーヒーがお客様に好評だと伺い、大阪はガラスでやりたいねというお話になりました。
耐熱のガラスではないのですが、少しガラスを温めていただいたら、出来立てのコーヒーを淹れて楽しんでもらえる楽しんでもらえる。器からそのまま飲むというよりは、お客さんが自分で注いで飲む日本酒スタイルが特徴的な、ガラスの器が完成しました。
お客さまのご家庭では、コーヒーだけではなく、お酒の徳利やお花を生けたて楽しんでもらえたりできるので、手作りのガラスを知らない方にもたくさん目にしてもらえるきっかけになると思います。

T:工芸用のガラスを溶かして使ってるので、耐熱ではないのですが、一手間かかりますが温かいものを淹れて飲んでいいただきたい、一度お湯をすり切りまで入れて器を温めたあと、コーヒーを注ぐ、そういうプロセスを踏んだらガラスでも温かいものが楽しめるよというデモストレーションをカフェで見せていただくことにより、ガラスの用途やイメージが広がるきっかけになるなと思いました。

そのほかにもいろいろなお話をお伺いさせていただきました。
ぜひ動画もご覧ください。


Movie by Yohei Murakami


fresco
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