HORIZON SERIES 2026 #2

現在、全国のブルーボトルコーヒー  カフェ* および公式オンラインストアでお届けしている、希少なアジアのシングルオリジンコーヒーにスポットを当てた「Horizon Series(ホライゾンシリーズ)」。ミャンマーや台湾から届いたコーヒーはお楽しみいただけましたでしょうか。

ホライゾンシリーズは、東の空に差し込む一日の始まりを告げる光、日の出の瞬間から着想を得た特別なコーヒーシリーズです。アメリカのカリフォルニア・オークランドで創業した私たちは、これまでアジア各地に息づくコーヒーカルチャーから多くのインスピレーションを得てきました。そこにあるのは、丁寧なクラフトマンシップや忍耐、そして人を想うおもてなしの心。そうした日々を支える”習慣”が、私たちのカリフォルニアのルーツとカップの中で出会い、一杯の体験をかたちづくっています。

今回ご紹介するのは、フィリピン・ミンダナオ島の Sitio San Roque(シティオ サン ロケ) から届いたコーヒーです。3月27日(金)と4月10日(金)より、プロセスの異なる2種類のロットを続けてお届けします。カフェでは、ドリップコーヒー(HOT)でお楽しみいただけます。

ホライゾンシリーズ第2弾となる本ブログでは、フィリピンのコーヒー生産再興の物語と、同じ産地から届けられた、2つのプロセスの違い、それぞれの味わいの個性をご紹介します。

ホライゾンシリーズ第1弾のブログはこちらからご覧ください。

HORIZON SERIES 2026 #1


PHILIPPINE COFFEE

フィリピンにコーヒーノキが持ち込まれたのは18世紀。一時期は世界有数のコーヒー輸出国のひとつに数えられるほどの生産国でした。しかし20世紀後半、世界的なコーヒーさび病の蔓延やコーヒーの価格下落をきっかけに農地はサトウキビやトウモロコシ栽培へと転換され、フィリピンのコーヒー産業は衰退していきました。

しかしいま、その流れは変わりつつあります。品質への献身と実験精神によって、フィリピン産コーヒーの卓越性を再構築しようとする動きが広がっています。その中心のひとつが、今回お届けする2つのロットの産地、シティオ サン ロケです。

シティオ サン ロケ コーヒー農園の風景。

Sitio San Roque

シティオ サン ロケは、フィリピン南部ミンダナオ島の内陸部、カラトゥンガン山脈の麓に位置する小さな集落です。先住民マノボ族が暮らすこの地は、固有種の鳥や植物が生息している生物多様性に富んだ地域です。標高は1,000〜1,600m。豊かな火山性土壌、山の傾斜や標高差から生まれるこの地域特有の気候が、コーヒー栽培に理想的な環境をもたらしています。

この地域の小規模農家たちによるロットの特徴は、遺伝的多様性と実験的な取り組みにあります。伝統的な精製方法であるナチュラルや、ウォッシュドの精製プロセスに加え、アナエロビック(嫌気性発酵)にも挑戦しています。

フィリピンのコーヒー産業再興は、過去を取り戻すことではなく、未来へ進むこと。ここシティオ サン ロケは、その象徴ともいえる存在です。

私たちは今回のロットを、フィリピン各地の小規模生産者と協業する Kalsada Coffee(カルサダコーヒー)を通じて仕入れました。創設者のCarmel Laurino(カーメル・ラウリーノ)氏との出会いは、数年前にブルーボトルコーヒーに所属していたバリスタの紹介がきっかけです。その出会いを経て、私たちは初めて2022年にフィリピン産コーヒーをゲストのみなさまにお届けすることができました。カルサダコーヒーは創業当初、15の農家と協業していましたが、現在は100を超える農家と提携しています。トレーニングや近代的な設備の提供を通じ、小規模生産者の品質向上を支えています。

2016年にシティオ サン ロケと同じブキドノン州に位置するピグトラナン村の農家協同組合との出会いをきっかけに、2020年にはシティオ サン ロケに精製所を設立。以前はロブスタ種の栽培が中心だったこの地域でアラビカ種栽培が広がり、現地大会での受賞がこの品質向上の流れを後押ししています。

シティオ サン ロケのチームのみなさんと、農園での収穫風景。

About Catimor

今回のロットに使用されているカティモール種は、ティモールハイブリッドとカトゥーラの交配種です。コスタリカ95などのアラビカ種カティモール系統は1990年代に広く普及し、高い生産性と病害への耐性を持つ品種として知られています。この土地のテロワールと精製プロセスによって、繊細で複雑な味わいを生み出しています。

同じ品種、同じテロワールから生まれた2つのロットは、プロセスと焙煎の違いによって異なる個性を描きます。それぞれのプロセスについて、そして焙煎の特徴や味わいの魅力をご紹介します。

PHILIPPINES SITIO SAN ROQUE WASHED

現在、全国のブルーボトルコーヒー カフェ*でお届けしている、「フィリピン・シティオ サン ロケ・ウォッシュド」。カティモール種をウォッシュドプロセスで仕上げたロットです。ウォッシュドプロセスとは、コーヒーチェリー収穫後にマシンで果肉を除去し、水を使って発酵・洗浄したのち、生豆となる種子の部分を乾燥させる精製方法のこと。豆本来の輪郭や透明感を引き出すのが特徴です。

発酵と洗浄の様子。

このロットをブルーボトルコーヒーの自社焙煎所でミディアムローストに仕上げ、バランスのとれた味わいとシロップのように厚みのあるボディを最大限に引き出しました。

まずカップへ顔を近づけると立ち上るのは、ほのかなフローラルさとハーブのような香り。口に含むと、オールスパイスやアニスのような、ややドライで立体的なスパイスのニュアンスが一口の味わいに奥行きをもたらします。続いて、ブラウンシュガーやダークチョコレートを思わせる甘さ、穏やかでありながら複雑さもあるトロピカルな酸味が重なります。キウイやパイナップル、ストーンフルーツのニュアンスが余韻として続き、静かな広がりを感じさせる一杯です。

ウォッシュドプロセスによってテロワールの輪郭が明確に表現された、落ち着きとバランスの美しさ。居心地の良いカフェやご自宅で、その奥行きをゆったりと味わっていただけたら嬉しいです。 

フィリピン・シティオ サン ロケ・ウォッシュド】⁠

ドリップコーヒー(HOT)ご提供・コーヒー豆販売カフェ:全国のブルーボトルコーヒー カフェ*でご提供、公式オンラインストア

 

【数量限定】
フィリピン・シティオ サン ロケ・
ウォッシュド

¥5,940(税込)

 

PHILIPPINES SITIO SAN ROQUE NATURAL

続いて、4月10日(金)より登場予定の「フィリピン・シティオ サン ロケ・ナチュラル」。先に紹介した「フィリピン・シティオ サン ロケ・ウォッシュド」と同じ品種のコーヒーチェリーをナチュラルプロセスで仕上げたものです。精製プロセスの違いによって生まれる、フィリピン産コーヒーならではの個性のコントラストを感じていただけます。

ナチュラルプロセスとは、収穫したコーヒーチェリーを果肉ごと乾燥させる精製方法のこと。果実味や甘さがより豊かに引き出すことで知られています。

吊り上げ式コーヒーベッドでコーヒーチェリーを乾燥させている様子。

こちらのロットは、ウォッシュドプロセスのものと比較してやや浅めに焙煎し、明るく軽やかな表情を際立たせました。フィリピン・ミンダナオ島のテロワールを感じられる、春にふさわしい華やかなシングルオリジンコーヒーです。

カップへ顔を近づけると感じられるのは、ストロベリーやパイナップル、ローズを思わせる華やかな香り。みずみずしいハーブのニュアンスに、ナツメグやクローブのような甘く温かみのあるベーキングスパイスのアロマが重なります。口に含むと、ジャムのように凝縮された舌触りと、シロップのような厚みのあるフルボディが広がり、そこに複雑で立体的な酸味が重なります。同じテロワールが生み出すもうひとつの表情が、鮮やかに映し出された一杯です。

「フィリピン・シティオ サン ロケ・ウォッシュド」と「フィリピン・シティオ サン ロケ・ナチュラル」。同じテロワールが描く異なる表情を、ゆったりと味わう時間。この春、ホライゾンシリーズがお届けする、もうひとつの楽しみです。

 フィリピン・シティオ サン ロケ・ナチュラル】⁠

売日:2026年4月10日(金)

ドリップコーヒー(HOT)ご提供・コーヒー豆販売カフェ:全国のブルーボトルコーヒー カフェ*でご提供、公式オンラインストア

 

アジアの新進気鋭な生産者たちによって育てられた、希少ながら高品質なシングルオリジンコーヒーをお届けするホライゾンシリーズ。この春は、再興と革新の歩みを続けるフィリピン産コーヒーを、プロセス違いで2種類ご用意しました。同じ土地から生まれた2つの個性を飲み比べながら、フィリピン産コーヒーの新たな歩みと、その可能性の広がりを感じていただけたら嬉しく思います。

新しい季節の始まりにそっと寄り添う一杯として。春のやわらかな光と共に、未来へ続く一杯をお楽しみください。

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*原宿カフェでのご提供、HUMAN MADE Cafe by Blue Bottle CoffeeとHUMAN MADE 1928 Cafe by Blue Bottle Coffeeでのご提供・販売はございません。