Hayes Valley Espresso

2002年10月、ブルーボトルコーヒーの創業者ジェームス・スリーマンが初めてコーヒー豆を焙煎し、創業地であるアメリカ・カルフォルニアのファーマーズマーケットに出店したその日をきっかけに、現在では世界に100店舗以上展開しているブルーボトルコーヒー。カフェでは、創業当時から変わらず「Hayes Valley Espresso(ヘイズバレー・エスプレッソ)」というブレンドコーヒーをエスプレッソとしてご提供しています。

このエスプレッソブレンドを使用して、バリスタが一杯ずつラテアートを施すカフェラテや、アメリカーノ、そしてエスプレッソの濃厚な味わいをお楽しみいただけるジブラルタルなどのエスプレッソをベースとしたドリンクをお作りしています。

ブルーボトルの考える”美味しいコーヒー”を代表するシグネチャーコーヒーとも言える「ヘイズバレー・エスプレッソ」ですが、名前の由来やこのエスプレッソに込められた想いはご存知でしょうか?今回は、ブルーボトル創業20周年となる2022年の今なお、みなさまに愛され続けている「ヘイズバレー・エスプレッソ」について、その魅力をご紹介いたします。

STORY

2005年、アメリカ・カルフォルニア・サンフランシスコ市内のヘイズバレーという地域に、ブルーボトルの創業者ジェームス・フリーマンの、週末限定だったファーマーズマーケットから、キオスクという形で初めてのカフェとなる「Hayes Valley Kiosk(ヘイズバレー キオスク)」をオープンしました。テイクアウト専用のとても小さなカフェでしたが、ジェームスの、新鮮なコーヒーを美味しさのピークに合わせてご提供するというデリシャスネスへの考え方から、「ヘイズバレー キオスク」は地元のたくさんのゲストにとって生活の一部となり、愛されるカフェとなりました。「ヘイズバレー・エスプレッソ」は、このブルーボトル第一号店オープンを機に、ブルーボトルのシグネチャーコーヒーとしてこのエスプレッソブレンドが誕生しました。

ESPRESSO

ところでエスプレッソとは、コーヒーの抽出方法のひとつで、エスプレッソマシンを使用し、圧力を加えて短時間で抽出したコーヒーのことを指します。液量はごく少量で、凝縮されているためコク深い味わいになります。

「ヘイズバレー・エスプレッソ」はエスプレッソとしてそのまま飲んでいただく際にも、またミルクと合わせた場合にも、その味わいのバランスを保ちドリンクの中でもひときわ存在感を発揮するために、ブルーボトルのカフェでご提供しているコーヒーの中でも、焙煎度合いの深いコーヒーとしてご用意しています。通常焙煎度の深いコーヒー豆にするためには焙煎温度をより高く、焙煎時間を長くすることで焙煎度合いを深めますが、ブルーボトルでは焙煎レベルを深くしてコクのある味わいを引き出すのに加えて、カフェでドリンクをお作りする際にリストレットと呼ばれる通常より抽出時間を短くするエスプレッソの抽出方法で「ヘイズバレー・エスプレッソ」を抽出し、このコーヒー豆のもつポテンシャルを最大限引き出しているのです。この方法は、使用するエスプレッソの粉に対して本来抽出できるエスプレッソの液体量の約半分ほどの量を抽出する方法です。これにより通常のエスプレッソよりも液体濃度が高くなることで、ベイキングチョコレートやオレンジゼストのような何層にもわたる深みのある味わいを表現しています。


エスプレッソをそのままショットで飲んでいただくと、カカオのような濃厚な香りと共にずっしりとした重さ、液面に浮かぶきめ細かく美しいクレマと呼ばれる泡の口当たりと、シルキーさを感じていただけます。濃縮された焙煎度の深い味と聞くと、苦くて飲みにくい印象を受ける方もいらっしゃるかもしれないですが、その期待をいい意味で裏切る、このダークチョコレートのような贅沢な味わいをぜひ一度お楽しみいただけたらと思います。

一方でミルクを加えるとその割合によって幅広いフレーバーをお楽しみいただけます。例えばミルクとエスプレッソを1:1ほどの割合となるマキアートは、ココアのような甘みが感じられます。そしてミルクの割合が多く優しい口当たりとなるラテにしていただくと、エスプレッソの存在が今度は心地の良い風味として感じられます。もちろん、ご自宅などではドリップコーヒーとしてお楽しみいただけるこちらのコーヒーは、焦がしキャラメルのような甘みを感じられ、飲みごたえのある味わいがお好きな方にはぴったりのブレンドです。またお好みでミルクを加えてお飲みいただいたり、時間と共に変化する味わいをゆっくり堪能いただくなど、自分だけの楽しみ方を見つけながらコーヒータイムをお過ごしいただけます。

カフェにお越しいただいた際にエスプレッソドリンクをご注文いただくと、ブレンドコーヒーの「ヘイズバレー・エスプレッソ」もしくは季節ごとに変わる単一農園のコーヒー豆をご用意している「シングルオリジン」の二種類のコーヒー豆よりお選びいただき、ドリンクをお作りいたします。

ダークチョコレートのようなコクとクリーミーな口あたり、ブラウンシュガーを思わせる「ヘイズバレー・エスプレッソ」はどんなドリンクでもバランスよくブルーボトルの繊細なコーヒーの味わいを引き出してくれる味わいです。初めてエスプレッソをご注文いただく方にも、ブルーボトルコーヒーの考える美味しいエスプレッソドリンクを味わっていただけること間違いなしです。また、バリスタにお好みをお伝えいただけますと、それぞれのゲストのお好みに合わせてその日の気分にぴったりの一杯をご提案させていただきますので、ぜひお気軽にコミュニケーションを取られてみてくださいね。

公式オンラインストアでは、ご自宅用にご購入も可能でございます。フレッシュなコーヒー豆だからこそ感じられる新鮮な香りや、ご自身でグラインドしたコーヒー豆から抽出する過程もお楽しみいただけます。


ブルーボトルがこの20年の歴史と共に歩んできた味を、ぜひ改めてコーヒー一杯から感じていただきながらお召し上がりいただけると嬉しいです。