Women Coffee Leaders - Celebrating Women’s History (& Future) Month

3月は歴史上における出来事や現代社会において、女性たちが行った貢献にフォーカスすることを目的に定められた「女性史月間(Woman’s History Month)」。

3月8日の国際女性デーにあわせて、3月の1カ月間をかけて女性の地位向上を訴え、女性の権利を主張し続ける人たちの活動を称える期間です。

女性史月間を祝うことは、これまで見過ごされてきた大切な事実に気づくきっかけを与えてくれます。例えば、コーヒー業界における労働力の大半は女性であり、世界的に見るとその約70%を占めているということ。女性のコーヒー生産者をエンパワーメントするということは、コーヒーコミュニティ全体を活性化する上でもとても大切なことといえます。

ブルーボトルコーヒーでは、ゲストへホスピタリティをもって美味しいコーヒーを提供するために、多くの女性達が日々情熱を持って働いています。ですが、コーヒーがロースターに届くずっと前、コーヒー農園や加工場でも、数多くの素晴らしい女性たちが活躍しています。今週のブログでは、高品質なコーヒーを生産するだけでなくコーヒーコミュニティの発展に大きく寄与している女性の生産者をご紹介します!

 

Jeanine Niyonzima-Aroian, Founder, JNP Coffee  

Jeanine Niyonzima-Aroian さん(写真右)

Jeanine Niyonzima-Aroian は、ジェンダーインクルーシブな開発戦略を通して、コーヒー生産コミュニティを活性化させながら、卓越したブルンジのコーヒーを市場に紹介することを目的に、2012年にJNPコーヒーを設立しました。

私たちが最も感銘を受けたJNPのプロジェクトの1つは、女性の生産者がコーヒー栽培を始めて2回目の収穫を迎えた後、そのコーヒーの品質に基づいて支払いを受け取ることができるボーナスプログラムです。このイニシアチブは、International Women's Coffee Alliance(IWCA)のブルンジ支部によって開始、JNPによって拡大されました。現在2,000人以上の女性とその家族が、この支援金によって農機具、子供の教育、または自転車など生活に欠かせないものへ投資することが可能となりました。

このプログラムの成功により、ジェニーンは女性のコーヒー生産者をより継続的に支援する可能性を見つけることができました。 その後JNPは、非営利団体と協力して、女性生産者が他の女性にマイクロローンを行い、その過程でリーダーシップの経験を積むことができる、金融リテラシープログラムを構築しました。ブルンジでは、プログラムを指導すること、つまり財産を所有したり権力を持つことができる女性はほとんどいない、という難しい状況があります。しかし、女性がより多くの収入を得ると、圧倒的に家族や地域社会に再投資します。ジェニーンは「(コーヒー生産者の)女性をエンパワーするということは、私たちがコーヒーを購入する地域社会にもとても大きな影響を与えるということを意味しています」つい最近、この非常に人気のあるプログラムを卒業した女性たちが力を合わせ、コーヒー豆の洗浄場を開設しました。

 

Aida Batlle, Farmer, El Salvador

エルサルバドルの女性コーヒー生産者であるAida Batlleは、コーヒー農園の第5世代として生まれ、家族で経営している農園を最先端のコーヒー栽培と加工技術の拠点へと変え、スペシャルティコーヒーの水準を引き上げました。スペシャルティコーヒーの品評会であるカップオブエクセレンスにて数多くの賞を受賞した彼女は、間違いなくコーヒー界の伝説であり、ブルーボトルコーヒーでも、毎年その素晴らしいコーヒーを期待している生産者の一人です。

エルサルバドル内戦中に米国に逃亡した後、アイーダは2000年代初頭に家族の農園に戻りました。農園で働くことは新たな挑戦でしたが、アイーダは既に、コーヒーを新鮮な製品として扱うこと、つまり彼女自身の言葉で言えば食品として扱う、ということを強く確信していました。また彼女は高い好奇心を持ち、栽培品種と技術の実験を繰り返し、小さなまたは大きな変化がより良いコーヒーを生み出すかを観察しました。彼女がケニアの栽培品種SL-28をエルサルバドルの土壌に植えたことで、深い甘いを持つ素晴らしいコーヒーが誕生し、それが1ポンドあたりの当時の最高価格で販売されたことで、彼女の名は瞬く間に広まりました。

アイーダは現在もコーヒーの生産に携わっています。彼女は実験を続け、常に5ガロン(約19リットル)のバケツで実験しているため、彼女の新しいものの発見が費用によって邪魔されないようにしていますしかしアイーダの仕事の中心は、彼女の農園を常に良い状態に保ち、労働者に有益な雇用を生み出すこと、これに対する揺るぎない信念とコミットメントにあります。これらの活動は全て、暴力や環境悪化の影響を受けている地域において行われています。

彼女は、美味しいコーヒーはエルサルバドルの全体像のほんの一部にすぎないことを思い出させてくれます。「実際にコーヒーを飲む方々が、一杯のコーヒーを作るのにどれだけの労力と時間が必要かを知ることができれば、それに見合う価格を払ってコーヒーを仕入れているブルーボトルのような企業をサポートすることの意味を感じていただけるかと思います。そしてそれが、私たちがより高い賃金を支払うことができる唯一の方法です。 」

Mayra Orellana-Powell, Catracha Coffee Company 

Mayra Orellana-Powellは、彼女の故郷のであるホンジュラスのサンタエレナで、コミュニティの生産者と専門のコーヒーバイヤーをつなぐためにCatracha Coffee Companyを設立しました。シンプルな話のように聞こえますが、10年の間にCatrachaは、非営利団体、輸出ビジネス、そして活気のあるコミュニティとして、多面的な組織へと進化しました。彼女のビジネスパートナーであり夫であるローウェルは、生産者がより多くの収入を得るためには、コーヒーの品質を改善する必要があることを認識していました。そのためには生産者は信頼できるメンターシップと、農機具を使用する必要があります。しかし何よりも、生産者たちがこのような新たな取り組みに挑戦したいと思えるための証拠が必要でした。そこで生産者のニーズを満たすために、マイラとローウェルはスキルをシェアするクラス、コミュニティアートスペースを作り、また進歩的で透明性を持ったコーヒー売買の仕組みを作成しましたこの仕組みでは、コーヒーはマーケット価格を上回る価格で買い取られます。また支払いは2回に分けて行われ、2回目はコーヒーの品質に基づいて金額が決定します。

ホンジュラスの女性のニックネームであるカタチャは、誰も取り残すことなく経済的に成長するためのアプローチを体現し続けています。サンタエレナのような町では、この包括的なビジネスモデルは、現在コミュニティに属している人はもちろん、コミュニティのより安全な未来を築くのにも役立っています。Catrachaでは敷地内のコーヒーラボ、焙煎作業、共同キッチンを備え、コミュニティへ種子の状態から輸出に至るまでの全ての工程への参加を呼びかけています。ブルーボトルコーヒーがCatrachaからコーヒーを購入してきたほぼ10年で、これらの取り組みは実現が可能であることを証明しただけでなく、味わいと香りが際立った美味しいシングルオリジンコーヒーを生産し続けています。

 

本日のブログでは数多くの女性のコーヒー生産者の中から3人をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか? コーヒーを選ぶ際に、生産者の方のストーリーに思いを馳せてみるのも、新たな楽しみが生まれるかもしれません。