夢見ていた仕事 〜公務員からバリスタへ〜

私の前職は公務員でした。
私は地方の出身で、県外の大学を出たものの、就職を考えた時に、興味がある仕事はいくつかあったもののどれも現実的なものには思えず、結局なんとなく地元のために働くかと思い(こんなのではダメなのですが)、地元に帰り公務員になりました。まずまず満ち足りた生活を送ってはいましたが、正直に言って、なんとなくで決めた道では「仕事をしていて楽しい」という想いだけはどうしても満たされませんでした。

そんな私にもずっと好きなものがありました。それがコーヒーです。大学の時からハマったのですが、社会人になってからはどんどん淹れ方などにこだわるようになり、家に知人を呼んではコーヒーを振る舞うのが週末の楽しみでした。「コーヒーが好きだ」と色々な人に言いふらしていたら、色々なつながりができて、地域のイベントなどの時に出店という形で呼んでもらえるようになり、より多くの人に自分が淹れたコーヒーを飲んでもらうことができました。僕にとって、そういった形で、コーヒーを通してたくさんの人と繋がれること、そして自分のコーヒーを飲んで笑顔になってくれる人を見ることは何よりも幸せでした。その時、どうしても自分の「好き」を仕事にしようと決意しました。

公務員を辞め、関東に出てきていくつかのカフェで働きました。ブルーボトルで働くきっかけになったのはブルーボトルで働く友達から紹介してもらったからなのですが、採用セミナーの時に聞いた、創業者であるジェームスがずっと大切にしているという、作家プルーストの言葉が心に響いたからです。

「少しばかり夢を見ることが危険であるというなら、その治療法は夢を減らすことではない。むしろもっと多くの夢を、四六時中見続けることだ」
マルセル・プルースト

私の選択はきっと間違っていない、ここなら私は夢を見続けることができるんだ、と思いました。

そして私は今ブルーボトルのバリスタとしてここにいます。私の原点にあるのは、コーヒーを淹れるのが楽しいという純粋な気持ちと、コーヒーでたくさんの人を笑顔にしたいという想いです。コーヒーで世界をつないでいけるバリスタは本当に素敵な仕事だと毎日感じています。こうして私は今でも夢を見続けているのです。

 

Ginza Cafe/S.E