MOHEIM x BLUE BOTTLE COFFEE TIN CANISTER

ブルーボトルコーヒーでは、コーヒー体験がデザインの視点からもお楽しみいただけるよう、さまざまな素晴らしい価値観をもつ作家さまやデザイナーさま、ブランドの方々とコラボレートしたアイテムをお届けしております。

 

今回はその中のひとつ、ミニマルでシンプルなデザインで伝統的な技法や高度な技術を用い、時代に沿ったエシカルな考え方で食器や家具を手がける「MOHEIM(モヘイム)」とコラボレートし誕生したコーヒー豆を保管できる「TIN CANISTER(ティン キャニスター)についてご紹介いたします。ミニマルでまるでオブジェのような洗練されたデザインのティン キャニスターは、ほとんどの工程で手作業にこだわり、数少ない職人の技術によって製作されています。普段は見ることができない職人による作業工程と共に、ティン キャニスターの魅力についてMOHEIM ディビジョンマネージャーの深田静也さんと、クリエイティブディレクターの竹内茂一郎さんにお話を伺いました。

ティン キャニスターは、まずそのシンプルでミニマルなデザインが印象的です。一見するとこれがコーヒー豆を保管する容器(茶筒)とは思えないような美しく洗練されたデザイン。これは、熟練の職人だからこそ実現できるデザインです。「通常、大量生産されている茶筒には、蓋の部分にリム(縁)がついていますよね。このリムにどうしても目がいってしまうかと思います。マシンメイドだとこのリムをつけないと缶が密閉されないのです。お部屋のインテリアとして置いても違和感なく、空間に馴染んで欲しいという想いから、ミニマルなデザインにしたくて手作業にこだわりました。」竹内さんの言葉通り、このティン キャニスターにはリムがなく、ミニマルなデザインを実現するとともにしっかりと密閉されるようになっています。これは、熟練の職人の手作業だからこそできる寸法調整によってしっかりと密閉できるようになっており、食品を保管するものなので安全性と密閉性にも配慮し、職人が丁寧に調整しながら作っています。蓋とキャニスター本体の口を合わせるとぴったりと閉まり、その正確さや細密さがわかります。

 

ティン キャニスターのデザインはその質感にもこだわりがあります。通常の茶筒缶は、金属っぽさやメタリックな質感のものが多いですが、ティン キャニスターは日常の空間に溶け込むように、あたたかみのある色やマットなテクスチャにこだわって作られています。ティン キャニスターはブリキ製なのですが、ブリキは塗料が定着しにくく、また塗料はマット感を強くするほど剥げやすくなってしまいます。この課題をクリアするために、ブリキに塗布しても剥がれにくく、より長く使える塗料を探し試行錯誤を重ねた結果、長くお使いいただけて空間に馴染むマットな質感のティン キャニスターが誕生しました。

では、このこだわりが詰まったティン キャニスターはどのようにして製作されているのでしょうか?まずはキャニスターの直径を測ります。ここに誤りがあると全てがずれてしまい蓋と本体が合わなくなってしまうため、一番重要でかつ難しい工程です。職人が0.1mm単位で確認し、断裁していきます。断裁が完了したら、三本ロールと呼ばれる道具を使って丁寧に曲げていきます。

3本ロールで丁寧に曲げていきます。

 

曲げた板金は「ハス」と呼ばれるクリップでのりしろを留めます。このハスは明治時代から使われており、板金を痛めることなく留め置くことができるものです。そしてのりしろをはんだ付け*していきます。

 

*鉛とスズを主成分とした合金「はんだ」をガスバーナーで溶かし、ブリキをつなぎ合わせること。

 

ハス(指先の黒いクリップ)でのりしろを留めます。

 

留めたのりしろをはんだ付けします。ティン キャニスターは2つの曲げた板金を上下合わせて本体の部分となります。写真右手にはハスで留めている板金が。

 

溶接されたらハスを取り外し、一度サイズを確認します。別々で作っていた上下をはんだ付けし合わせ、綺麗に洗って丁寧に拭き上げます。ここももちろん一つ一つ手作業で行っており、一度洗うことによってはんだ付けした部分を錆びにくくし、より長くお使いいただけるようにと一手間加えられています。最後に蓋の部分を機械で接合し、本体と合わせて完成です。この後は塗装の工程に移っていきます。ほとんどの工程が手作業で、長年使われてきたこの製法で製作できる職人も日本で10人ほどとのことで、こちらの製作所で1日に製作できる数は約90個ほどです。

 

このようにして製作され、熟練職人の素晴らしい技術とMOHEIMのプロダクトに対するこだわりが詰まったティン キャニスターの佇まいは美しく、作り手の技術とこだわりがその細部すべてに見られます。

「もともと職人によって作られていた茶筒が、時代とともに機械で大量生産されるようになり、職人も数少なくなってきました。作り手のノウハウや手作りの良さに魅力を感じて、現代のライフスタイルに合うように色やテクスチャーなどデザインをアップデートしてティン キャニスターが誕生しました。密閉性や気密性にも優れているので、コーヒー豆やお茶の葉だけでなく、コットンやアクセサリーなどお気に入りのものを保管する容器としてお使いいただくのもおすすめです。」と深田さん、竹内さんにお話いただきました。

 

熟練職人の高い技術とこだわりが詰まったティン キャニスター。ぜひお気に入りのコーヒー豆を入れてインテリアとしてもお楽しみいただけると嬉しいです。

 

ティンキャニスターは全国のブルーボトルコーヒー カフェ*と公式オンラインストアでご購入いただけます。
ブルーボトルコーヒーとMOHEIMのコラボレーションは今回のティン キャニスターに加え、ストーンマグもあります。開発背景ストーリーをご紹介していますのでこちらのWebサイトも合わせてご覧ください。

 

*HUMAN MADE Cafe by Blue Bottle CoffeeとHUMAN MADE 1928 Cafe by Blue Bottle Coffeeでの販売は行っておりません。