<スペシャルインタビュー> 伊勢角麦酒 × ブルーボトルコーヒー

先月発売した、ブルーボトルコーヒーペールエール。

嬉しいことに、たくさんのお客様にお楽しみいただいています。

今回は、ブルーボトルコーヒーペールエールの製作に携わった、ブルーボトルスタッフと伊勢角屋麦酒の岡田様にコーヒーペールエール完成までのお話しや開発秘話などを伺いました。

 


ーブルーボトルコーヒーペールエールが生まれたきっかけを教えてください。


ブルーボトルコーヒー(以下、B):元々は2020年の夏にオリンピックが開催されることもあり、日本をもっと盛り上げるために何かできないかと考えていた際、「クラフトビール」と相性がいいのではないか、と考えました。

考えるに至った経緯は、「夏と言えばビール」ということももちろんありますが、私たちのお客様に喜んでいただけることって何だろうと考えた際、うちの考え方を理解し、好きでお越しいていただいている方は、クラフトビールのファンでもいらっしゃるんじゃないか、同じものづくりをするもの思いを共有するからこそ、できることがあるのではないかと考え、こちらからお話をさせていただきました。

一般的に「コーヒービール 」というと、スタウト系の黒ビールにローストが深めのコーヒー豆を合わせた「コーヒースタウト」が多いのですが、夏に飲みたくなる爽やかな商品、そしてブルーボトルらしい軽やかな商品になればとご相談しました。

伊勢角(以下、I):ブルーボトルコーヒー様より、コーヒーの香りと味わいを楽しめ、コーヒーが好きな方が満足して頂けるようなビールを造ってほしいと言うことから始まりました。ブルーボトルコーヒー様の人気のあるコーヒー豆を数種類頂き、香りの感じを調べました。そうすると、とてもフルーティーで特徴のある良い香りが多く、その良さを引き出すには、黒ビールのような強いロースト香のスタイルより、ペールエールのようなフルーティーなホップの香りがするスタイルの方が相性が良く、軽いボディーとキレの良いホップの苦みがコーヒー豆の味わいと上手く調和も取れていたため、コーヒーペールエールに決まりました。



ー開発をしていくなかで、ビールのテイスト決める時どのようなことに苦労しましたか?


B:伊勢角屋麦酒様との一緒にテイスティングを実施しました。

爽やかで軽い「コーヒービール」になるように、ビールの液種として「ペールエール」と「アメリカンIPL(インペリアルペールラガー)」をご提案頂きました。そこにフレーバーが明るいの5種類のコーヒー豆を合わせてもらうようにしました。

またコーヒー豆の種類だけでなく、コーヒー豆の量と浸漬時間を組み替え、合計30種類の試作。このテイスティングでコーヒー豆のオリジンの特徴は「コーヒービール」では出づらいが、ローストレベルは味に影響があることに気付きました。

そこで2回目のテイスティングは、コーヒー豆の種類を絞って、コーヒー豆の量と浸漬時間を更に組み替え24種類の試作し、2回のテイスティングで合計54種類のテイスティングをしました。たくさんのテイスティングを経てやっと、ビールとコーヒーのフレーバーがバラバラではなく、お互いに溶け込むようなベストバランスを見つけることができました。

I:2日に渡り延べ54種類のテイスティングを行いました。一番の苦労は準備して頂いたコーヒー豆すべて、とても特徴的で素晴らしい香り・味わいの物が多く、コーヒービールにしても個性豊かで面白い物の中から、1種類のみ選ばなければならなったかことでした。

私たちは過去に色々なフレーバービールを販売していますが、これだけ多くのテイスティングはしたことがありません。また製造する際は、ベースビール(ペールエール)が一番良い状態であること。コーヒー豆の香り、味わいを最高のタイミングで付けるために、生産計画、ビール管理、充填タイミングをシビアに調整しました。



ーブルーボトルペールエールのオススメポイントを教えてください。


B:ビールのもつフルーツやシトラスのフレーバーはコーヒー豆のもつフルーツのフレーバーやキャラメルのような甘さ、クリーンで爽快なフィニッシュに調和して飲みやすいペールエールに仕上がっています。とても美味しいビールなので是非みなさんも試してみてください。

Iコーヒー豆のフルーティーな香りとペールエールのシトラスの香りが合わさり爽やかで広がりのある良い香りが楽しめます。味わいはホップのキレのある苦みとモルトの甘味、コーヒー豆の酸味と苦みの4つの要素が調和し、クリーンで爽快で調和の取れた味わいが楽しめます。こだわりぬいた1つの芸術品のようなビールなので皆様是非試してください。




ー最後に、これからペールエールを飲んでいただくお客様へメッセージをお願いします。


B:ペールエールとコーヒーのバランスがよく、飲みやすく飽きのこない「コーヒーペールエール」です。これから暑い日が続くかと思いますが、是非このブルーボトルコーヒーペールエールで少しでも爽やかになって頂けたら幸いです。

I:皆様の笑顔の為に手を取り合い協力し合った最高のビールです。飲んで頂ける方々が幸せな気分を満喫頂けましたら、とても嬉しく思います。

あなたの人生にエールを!!



伊勢角屋麦酒

1997年創業。「伊勢から世界へ」を合言葉に、世界が認めるビールを作り、”伊勢”の名を広く知らしめる。自然界のさまざまな場所や植物などから採取した酵母を培養し、高品質なホップを駆使して多種多様なビール作りをすることが特徴。

「伊勢だからこそできること、伊勢でしかできないこと」に挑戦し続ける地元に根ざしたブリュワー

https://www.kadoyahonten.co.jp/