Fazenda Ambiental Fortaleza
ブルーボトルコーヒーでは、グリーンビーンバイヤー(生豆のバイヤー)が世界各地のコーヒーを吟味し、スコアが 80点以上(スペシャルティグレード)と評価されたものの中でも、84点以上の最もおいしいとされるコーヒー豆を調達しています。今回のブログでは、私たちがコーヒー豆を購入している生産者の活動や想いについて、2回に渡ってお届けいたします。今回は、世界最大のコーヒー生産量を誇るブラジルに農園を持ち、コーヒーを輸出しつつ持続可能なオーガニック農法を普及させているコミュニティのリーダーでもあるFazenda Ambiental Fortaleza(FAF)についてご紹介いたします。
ブルーボトルコーヒーは2011年からFAFよりコーヒー豆を購入しています。ブルーボトルコーヒーのブランド創業者であるジェームス・フリーマンも、この頃に実際に農園を訪れ、最初の購入に携わりました。現在は主にシングルオリジンのコーヒー豆を購入しています。
ABOUT FAF
FAFはブラジルで最高級のコーヒー豆を栽培するコーヒー農園であり、地域の輸出業者でもあり、持続可能なオーガニック農法を普及させているコミュニティのリーダーでもあります。自然を再生し、コーヒー生産者に力を与え、変わってゆくレガシーを共に創造するようすべての人を巻き込みながら世界最高のコーヒーを調達することをミッションに掲げています。以前は、Fazenda Fortalezaという農園で、農場従事者と従来の農法を擁する伝統的な農園でした。2001年にシルビア・バレット氏が夫のマルコス・クローチェ氏とともに農園を引き継ぎ、Fazenda Ambiental Fortaleza(FAF)に名称を変更、高品質のコーヒー豆を生産しながら環境と人々の関係に配慮した持続可能なビジネスを展開する農園へと変化していきました。
現在はブラジルのSul de Minas、Espírito Santo、Alto Caparaó、Mogiana、Alta Mogianaの5つの地域からコーヒー豆を調達しており、7~10ヘクタールほどの家族経営の小さな農園300園からコーヒー豆を仕入れています。
FAFが考えるサステナビリティ
マルコス氏と息子のフィリペ氏は、「サステナビリティとは“今ある環境を守ること”と考えられがちだが、守るだけではもう足りない。今ある環境を守ることのその先である、環境を再生や回復させることに向かっていかなくてはならない」と話します。彼らは農業におけるリジェネラティブ サステナビリティ(環境を良い状態に「再生」する概念)は、生産性と品質を確保しながら、生物多様性の保護と強化や土壌の強化、綺麗な水の供給、農薬や除草剤の削減などによって推し進められると考えています。これらのノウハウやテクノロジーを彼らのパートナーである農園に普及する活動もFAFでは行っています。
写真右 マルコス氏 左 フィリペ氏
FAFは地元の大学やリサーチャーとも協力しており、ミツバチの研究の場でもあります。ミツバチは生物多様性で重要な役割を持っており、その住処を確保することは環境を再生する活動の一つといえます。リサーチャーの調査によると、オーガニックではない伝統的な農法の農園で見つかったミツバチが2〜3種類であったことに比べ、 FAFの農園では70種類以上のミツバチが生息していたそうです。 FAFの農園が生物多様性を保護していることがわかりますね。 FAFでは、コーヒー豆の売上の1〜2%をサステナビリティのプロジェクトに投資しており、例えば、バクテリアや菌の細胞を培養して肥料を生産し、4,500ヘクタールもの農園で共有しています。
今回フィリペ氏とマルコス氏が来日し、サステナビリティについて彼らが取り組むさまざまな活動の話をお話いただく中で、単においしいコーヒーを生産するだけではなく、それをいかに持続させ、より良い環境を次の世代に残していくかという、彼らの情熱や努力を知ることができました。私たちが普段何気なく飲んでいるコーヒーに、多くのストーリーがあることを心に留めてコーヒーを飲むのもまた新たな楽しみや発見につながるかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。 FAFについての詳細はホームページやインスタグラムなどでもぜひご覧ください。次週のブログではエルサルバドルのコーヒー豆生産者 アイダ・バトル氏のインタビューをお届けいたします。