BRAZIL CACONDE SERRA DO CIGANO VALLEY NATURAL

8/15(金)より、シングルオリジンコーヒー「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」が全国のブルーボトルコーヒー カフェ*および、公式オンラインストアに登場しました。カフェでは、ドリップコーヒーおよびエスプレッソドリンクでお楽しみいただけます。

ブラジル南東部の山岳地帯「セラ ド シガーノ バレー」で、ブラジルのスペシャルティコーヒーの先駆者である生産者João Hamilton(ジョアン・ハミルトン)氏と、彼が率いる地域の農家グループによって栽培されたこのコーヒー。コーヒーチェリー本来の果実味のある優しい甘さと奥行きのある香りを持ち、ブラジルコーヒーの新たな一面に出会える一杯です。

今回のブログでは、その味わいの魅力に加え、このコーヒーを届けてくれたFAF(ファゼンダ アンビエンタル フォルタレザ)とパートナーであるジョアン氏、そして地域の農家グループの”持続可能な農業”の実現へ向けた取り組みについてご紹介します。

BRAZIL CACONDE SERRA DO CIGANO VALLEY NATURAL

「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」は、トフィーやミルクチョコレートを思わせるまろやかな風味に、ドライチェリーのような果実の酸味がふわりと重なる、豊かで奥行きのある味わいが特長です。シロップのようにとろりとした甘さと、バランスの取れたやわらかな酸味が調和し、日々のさまざまなシーンにも優しく寄り添うような一杯をお届けします。

このコーヒーが栽培されたのは、ブラジル南東部に位置するミナスジェライス州カコンデ市の「セラ ド シガーノ渓谷」。標高1,300mに位置する山岳地帯で、ブラジル最大都市のあるサンパウロ州との州境にまたがる自然豊かな地域です。リオ・パルド川の水源となる天然の泉を擁し、この地域一帯の水資源を支える重要な分水嶺でもあります。「セラ ド シガーノ」は別名「ジプシーの谷」とも呼ばれ、その名は19世紀に旅人たちのキャンプ地であったという歴史に由来しています。

この豊かな環境と標高、そして古くから人と自然の営みが交差してきた歴史ある土地が、やさしくも複雑な味わいのコーヒーを生み出しています。

Fazenda Ambiental Fortaleza

このコーヒーは、私たちブルーボトルコーヒーとこれまで長く関係を築き上げてきた、コーヒー生産と輸出、そして地域農園支援を手がけるFAFと、そのパートナー ジョアン・ハミルトン氏によって届けられました。

ブルーボトルコーヒーでは、グリーンビーンバイヤー(生豆の買付担当)が世界各地の生産地を訪れ、厳選したコーヒー豆を調達しています。私たちが大切にしているのは、その季節に手に入る”もっともおいしいコーヒー豆”を見つけることだけではありません。”継続的な対話ができる生産者”とともに、地域の課題や新たな挑戦に取り組み、時間をかけて信頼を築いていくことこそ、私たちの理想とする持続可能なコーヒーのあり方です。今回お届けする「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」は、まさにそうした関係性から生まれた一杯。

2011年にブルーボトルコーヒーの創業者 ジェームス・フリーマンがブラジルを訪れた際、FAFのオーナーであるクローチェ家に出会ってから10年以上、長くパートナーシップを築いてきました。彼らのネットワークから毎年複数のシングルオリジンコーヒーを調達し、みなさまへお届けしています。

FAFは長い歴史をもつ家族経営のコーヒー農園でありながら、オーガニックコーヒーの生産と輸出、そして地域農園支援を通じ、ブラジル全土でスペシャルティコーヒーと持続可能な農業の文化を育んできたコーヒーコミュニティリーダーです。

彼らは”オーガニック”という言葉を、単に”化学農薬を使わない”という意味にとどめていません。自然環境への敬意と、次世代の生産者や消費者の未来まで見据えた、“農業のあり方を見つめ直す取り組み”だと捉えています。品質の高さと経済的な持続可能性、この両立の実現こそが、彼らが目指す農業の姿そのものなのです。

FAFが考えるサステナビリティついて、こちらのBLOGでもご紹介しております。ぜひご覧ください!

João Hamilton 

ジョアン・ハミルトン氏 

FAFは持続可能なコーヒー農業文化の振興をしていく中で、数多くの生産者とパートナーシップを結んできました。今回お届けする「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」を栽培したジョアン・ハミルトン氏も、FAFのパートナーとして信頼関係を築いてきた生産者のひとりです。彼は、私たちブルーボトルコーヒーがFAFとの繋がりから初めてコーヒーを調達した生産者でもあり、FAFとともに地域農園支援を通じてブラジルのスペシャルティコーヒーの未来を切り開く先駆者です。彼の農園「Sitio Canaa(シティオ・カナア)」での取り組みは、ブラジルコーヒー産業の移り変わりそのものを映し出しています。

ブラジルといえば、世界最大のコーヒー生産国。かつては彼の農園も、何よりも”量”を重視したコモディティグレードのコーヒー生産を主流としていましたが、ある時ジョアン氏は従来の農法が山の土壌を枯渇させていることに気づきます。そこでFAFと協力し、現在の有機農法を開発。”量”から”質”を重視するスペシャルティコーヒーの生産へと舵を切りました。

土壌の再生などの生物多様性への取り組みに加え、新しい品種や精製手法への挑戦、そして電子式色彩選別機、パルプ除去機、乾燥に最適なレイズドベッドなどの高品質な精製施設を設置することで、彼の作り出すコーヒー豆は典型的なブラジルコーヒーとは一線を画す、より多様なフレーバーを生み出しています。

Center of Excellence

ジョアン氏と近隣の地域農家とのミーティングの様子

今回お届けする「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」は、彼の農園「シティオ・カナア」を超え、地域の小規模農家たちとパートナーシップを結びながら生まれた新たなステップとなるコーヒーです。

ジョアン氏はFAFと協力し、小規模農家が点在するこの地域「セラ ド シガーノ」に「Center of Excellence(センター オブ エクセレンス)」と呼ばれる拠点を建設しました。ここは有機栽培によるコーヒー品質を向上させる精製施設であり、”持続可能な農業”を目指す若い生産者や、地域の小規模農家の教育の中枢でもあります。彼らが掲げる”持続可能な農業”とは、”今日の生産が、明日の生産力を損なうことなく行われる”こと。つまり、将来の世代に“土壌資本を残す”ことを意味しています。

ただし、理想を追う道のりは決して一様ではありません。たとえば、資金に限りのあるコーヒー農家にとっては、まず経済的に安定し、自立できるようになることが第一歩。センター オブ エクセレンスでは、土壌管理や有機栽培技術だけでなく、ビジネススキルや品質管理、マーケティングの支援を行い、その結果として”持続可能な農業”への転換の支援を行っています。

FAFやジョアン氏のような実践者から直接学ぶことができるこの場が、地域全体の技術水準と意識を高める学びの拠点となり、経済的にも持続可能なブラジルのスペシャルティコーヒーの未来への着実な歩みとなっています。

from Roaster

私たちブルーボトルコーヒーは、創業以来大切にしてきた「おいしいコーヒーは、人生をより美しくする」の信念のもと、品質へのこだわりとサステナビリティへの取り組み、“Seed To Cup”を通じて世界中の人々とコーヒーを通じてつながることを目指してきました。今回お届けする「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」は、その想いと深く響き合う一杯です。

本コーヒーはもちろん、日本国内、そして香港、シンガポールのブルーボトルコーヒー カフェでご提供しているすべてのコーヒーの焙煎を担っている自社焙煎所「北砂ファクトリー」でヘッドロースターを務めるKentaさんに、このコーヒーの味わい、実際に農園を訪れた時のエピソードについて語ってもらいました。

このコーヒー「ブラジル・カコンデ・セラ ド シガーノ バレー・ナチュラル」は、ブラジルらしい安心感のある甘みや質感の中に繊細な果実のニュアンスが感じられるとても綺麗なコーヒーです。

私が実際に農園へ伺った際、思い出深いのは、近隣の10軒ほどのパートナー農家さんが集まって小さな手回し焙煎機で焙煎大会を実施していた様子です。それぞれの農家さんが自分で育てたコーヒーを自ら焙煎しコーヒーを振る舞ってくれた経験は忘れる事ができません。農業としての持続可能性を広げ、”Seed to Cup”を率先して行なっている彼らのコーヒーは、私たちブルーボトルコーヒーにとって欠かすことができない存在です。

今後、世界のコーヒーを取り巻く環境は生産量の減少や価格高騰により、より厳しくなっていくのではないかと思います。

そんな状況の中、我々ができる事は今まで以上にコーヒーの素晴らしさをお伝えして、感じていただき、喜びを分かち合えるようにすること。

今日もそれぞれの場所でコーヒーに向き合っていきたいと思います。

私たちが長年パートナーシップを築いてきたFAFとジョアン・ハミルトン氏、そして彼が率いる地域の農家グループが、”持続可能な農業”と真摯に向き合いながら丁寧に育て上げたこの一杯は、まさに“Seed to Cup”の体現とも言える存在。ぜひ一杯のコーヒーに込められたストーリーを感じながら、ブラジルコーヒーの新たな一面との出会いを全国のブルーボトルコーヒー カフェ*やご自宅でお楽しみいただけたら嬉しいです。

【BRAZIL CACONDE SERRA DO CIGANO VALLEY NATURAL】⁠

売日:2025/8/15(金)

ご提供・販売カフェ:全国のブルーボトルコーヒー カフェ*でご提供、公式オンラインストア

*HUMAN MADE Cafe by Blue Bottle CoffeeとHUMAN MADE 1928 Cafe by Blue Bottle Coffeeでのご提供・販売はございません。


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